Baby on the moon

あれから7日後。

この1週間というもの、こっそりと、自分の中で「完全なる休息」をとっていました。
その間、今回は残念ながら失ってしまったものに想いを馳せる代わりに、
自分の周りにある、素晴らしいもの、大好きなもの全てに想いを馳せていました。

家族
新しい家、緑のある庭
太陽の木漏れ日
芝生の感触
お気に入りのコーヒーカップ
ヒューストンで買ったギターの音色
木目のパズル
天動説の絵本、数学者の絵本
地球儀
少しずつ増やしているプラントたち
毛玉がついている猫ちゃんたち
野菜たっぷりのスープ
アップルサイダー
お友達からの手紙
クジラの模型

サウンド・オブ・ミュージックの「My favorite things」の替え歌ができそう(^ ^)
って、まさにギターでも練習していたところだけど。

When I’m feeling sad
I simply remember my favorite things
And then I don’t feel so bad

そしてその歌の通りになるものだって、
そう思えたのがあれから7日後。

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そしてちょうど7日前には、
私は息子にこんな話をしていました。

「ベイビー、どこに行っちゃったの?どうしてもういないの?」

泣きそうな顔をみせる息子に、少し心が痛みつつ、
「ベイビーね、ちょっと体が弱かったみたい。
だから生まれてくるために、ちょっと一休み必要だったんだよ」

「ベイビーどこにいるの?」

「そうだねぇ。今、お月様のところにいって、
うさぎさんと遊んでおもちついてるよ。
元気になったらまた来てくれるって。」

すると急に涙目の顔がぱっと明るくなって、

「うさぎ?」

「そう」

「ふふっ。ベイビーうさぎとあそんでるの?
ミルクものんでるじゃん?ベイビーミルクすきだから!」

「そうだね、ベイビーミルクすきだね。
だからあのお月様に『またね』しよっか」

「ベイビー、またね!」

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新しい家族を想って過ごしたこの一ヶ月は、
確実に私にとって特別で、そして
自分にとって大切なものを知るために必要な時間でした。

初期流産は日本では妊娠した人のうち、約8~15%もの人が経験すると聞きます。
デンマークでも、4人に1人くらいは経験していることだと言われました。
あなたはなにも悪くない。ただただ、運が悪かっただけなのよ、と。

でも同時に、私は幸運でした。
この不運が起こった時に、支えてくれる家族、特に息子がすでにそばにいたこと。
また理解ある仲間や、友人や、環境にも恵まれ
自分のペースで自分の心と体を元に戻していくことができたこと。
産婦人科の先生(正確にはそこのナースさん)もとても親身に心をいたわってくれたし、
伝えるのは早いかと思っていた息子は、誰よりちゃんと理解し、
彼の存在が何より私を早く回復させてくれたのは言うまでもありません。

そして、今、目の前にいる息子や、
まわりにたくさんいる子供達全てに、
命の奇跡があるんだと改めて思います。
本当にこどもたちは、その存在それだけでかけがえのないものなんだなって。

この一ヶ月、そしてこの1週間で、
自分の中の価値観にも変化が出てきていることを感じています。
というよりも、より自分が本来もっていた感覚に近づいたという感じかな。
自分が大切にしていること、自分が大事に想うこと。
ベイビーがくれたこの気づきを忘れずに、
彼がうさぎさんたちと充分遊びつくしてまた私たちのところへ来たくなった時に
また家族3人で笑顔で迎えてあげられるように、
今、自分にできることをまたひとつずつやっていこうと
心に決めたのでした。

お月様を見るたびに、息子と叫びます。

「ベイビー、またね!」

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